令和2年4月より東京女子医科大学消化器内視鏡科教授を拝命いたしました野中康一です。

中山恒明先生が消化器病センターを創設された1965年ころは、胃鏡、胃カメラからファイバースコープへと移行した時代でありました。当時の消化器内科に着任された、近藤台五郎先生、竹本忠良先生、横山泉先生、黒川きみえ先生といった、日本の内視鏡診療の黎明期に活躍した先生方が、消化器内視鏡グループの起源であると考えます。

1987年に誕生した消化器内視鏡科に初代教授として就任されたのは、鈴木茂先生でございました。その後、大井至先生、中村真一先生に引き継がれ、私が4代目教授として着任いたしました。初代教授の鈴木先生の大きな業績である、色素を用いた内視鏡診断学は、現在の早期癌診断においても大きな有用性を持ち続けており、私どもの日々の検査でも活用させていただいております。二代目教授の大井先生はERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)の開祖、三代目の中村先生は食道静脈瘤における内視鏡診療の権威でいらっしゃいます。また、超音波内視鏡診断でご高名な村田洋子先生、内視鏡的粘膜切除法で知られる光永篤先生もいらっしゃいました。

このような歴史のある科を引き継ぎ、全国から集まった情熱に溢れる若手医師とともに6名のチームで、心新たに診療をスタートいたしました。

当科は消化器病センターにおいて、早期の消化管癌に対する内視鏡診断・低侵襲手術(ESD)に力を入れております。

なかでも、当科指導医は国内有数のESD治療症例数を経験しており、国内のみならずアジアの多くの施設に指導に出向き、内視鏡技術の普及に努めております。

また、東京女子医科大学の役割でもある女性医師の教育、働きやすい環境を作るとともに、コミュニケーション能力も含めた最良の医療人を育成する職場環境構築に力を入れております。

消化器内科、消化器外科、メディカルスタッフとともに消化器病センターの一員として、患者様中心の医療を提供できるように努めてまいります。

何卒よろしくお願い申し上げます。

東京女子医科大学病院 消化器内視鏡科 教授
野中 康一

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