胃の粘膜は表面から順に、粘膜層、粘膜下層、固有筋層、漿膜にわけられます。胃がんは胃の粘膜層から発生し、初期の段階では粘膜内にとどまっていますが、次第に粘膜下層、筋層、漿膜下層へと浸潤していきます(下図)。がんがどの深さまで達しているかを「深達度」と呼びます。

腫瘍の深さ(深達度)と進行の程度

 がんが粘膜層または粘膜下層にとどまっている状態ではリンパ節転移の可能性が少ないことがわかっており、この状態を「早期胃がん」といいます。早期胃がんに対する内視鏡治療の絶対適応はガイドラインで以下のように定められています。

絶対適応病変
<EMR/ESD適応病変>
◆ 2cm以下で、潰瘍のない、分化型、粘膜内がん

<EMR/ESD適応病変>
◆ 2cm以上で、潰瘍のない、分化型、粘膜内がん 
◆ 3cm以下で、潰瘍のある、分化型、粘膜内がん 
◆ 2cm以下で、潰瘍のない、未分化型、粘膜内がん

適応拡大病変
以下の条件にあてはまる場合は、リンパ節転移を伴う可能性が極めて低いとされているため、適応拡大病変として内視鏡治療(ESD)の適応が拡大されています。
◆ 初回のESD時に絶対適応病変で、かつ根治度が内視鏡的根治度C-1で、その後に局所再発した粘膜内がん

表1 外科切除例からみた早期胃がんのリンパ節転移頻度

図4 胃がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 

実際の治療例

<症例1> 重度の呼吸器疾患があり麻酔不能で他院より紹介。麻酔なし(鎮痛剤のみ)で施行し、30分弱で一括切除。

<症例2> 術後胃縫合線上の病変

<症例3> 範囲診断が困難な10cmを超える巨大病変

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