大腸がんに対する治療方針は大腸がん治療ガイドラインの規定に則り決定しています(表1)。

表1 大腸がん治療ガイドライン 医師用2019年版を参考に作成

 

 内視鏡治療の適応原則は、リンパ節転移の可能性がほとんどなく、腫瘍が一括切除できる大きさと部位にあるものとされています。
内視鏡的切除の適応基準は、
(1)粘膜内がん、粘膜下層への軽度浸潤がん
(2)大きさは問わない
(3)肉眼型は問わない
と定められています。

 病理検査で、①腫瘍の組織型、②癌の垂直方向への浸潤の程度、③水平方向への広がり、④顕微鏡レベルでの血管やリンパ管への浸潤の有無を確認します(表2)。結果次第で追加治療が必要になります。

表2 大腸がん治療ガイドライン 医師用2019年版を参考に作成

実際の治療例
当科では虫垂近傍の病変や大腸憩室が併存する病変、また内視鏡治療後の再発病変など、いわゆる困難症例に対しても安全に内視鏡治療を行っております。

<症例1> 肛門縁にかかる、痔核も伴う病変

<症例2> 虫垂近傍の盲腸病変

<症例3> 潰瘍性大腸炎罹患10年以上の広範な病変

<症例4> 大腸憩室合併病変

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